美幌町観光まちづくり
協議会
滝川 朗正

「人生このままでいいのかな?」
から世界を旅して気づいた北海道の魅力
「幸せに生きていける」人生観が変わった理由
札幌市出身です。高校卒業してすぐに札幌市役所で働きました。別に不満もなかったのですが、「こんなに人生苦労せずに、いいのかな?このまま定年を迎えるだろうけど、なんか…いいんだろうか?」と、青臭いことを考えていました。
そんな時にたまたま北海道民にとっては親近感がある有名人”大泉洋さん”が、アフリカを旅するTV番組を観ました。そのとき世界と自分が繋がった…行けないところはないんだと思いました。社会人になり2年目の時です。当時は交通局配属で地下鉄の仕事だったので、地下のモグラ生活から解放されたい気持ちも出てきていたのだと思います。「世界を旅する!」と決めてから2年働き、2015年3月に退職。4月から世界一周をスタートさせました。
訪れた国はタイ→カンボジア→ベトナム→ラオス→ネパール→インド→旧ソ連・ジョージア→ドイツ→ポーランド→チェコ→スロバキア→グアテマラ→ベリーズ→メキシコ→ペルー→コロンビア→エクアドル→また戻ってペルー→ボリビア→アルゼンチン→最後はチリ。1年かけて空港の乗り換えだけで訪れた国を含めて20数カ国めぐりました。
旅を通じて「なんでも気の持ちようだな」と考えるようになりました。何年も前から行きたくて仕方がなかった所に行けても、お腹を壊していたり、ホームシックになったりして、自分の気持ちがノリノリではない場合は、あまり楽しめませんでした。一方で、全然チェックもしていなくて、興味もなかったけれど、その時一緒にいた旅人仲間とノリがあったりすると、思い出深い場所となった。「いかに自分の気分を下げないか」「モチベーションを高いままでいさせられるか」ということが凄い重要だと思うようになりました。これは旅だけではなく人生においても言えることですね。
日本に帰ってきて一番最初に東京に降り立ち、満員電車でみんな死にそうな顔をしていたことが印象深いです。ネパールやインドを旅した時に、1か月に3000円で生活しているような家族ともふれあいました。自分達の住んでいるところにすごい誇りを持っていて、家族みんなで助け合って幸せそうに見えた。彼らの100倍以上のお金を持っているであろう東京で働く人々。やろうと思えば何でもできるし、行こうと思えばどこにでも行ける。なのに全然幸せそうじゃない。と、その時思いました。「すべては気の持ちよう」これはある程度自分でコントロールできることだから、何があっても、どこに住んでいても自分次第。これから幸せに生きていけるな!という体感が得られたことは僕にとっての財産です。
世界を旅して感じた北海道そしてアウトドアの魅力。人間の根源的な欲求3つ
北海道に戻って感じたことは「北海道もすごいな。全然海外に負けていない。北海道でしかできないこと、できない遊び方、北海道にしかない魅力がたくさんある。」ということです。具体的にはバックカントリースキー。北海道より雪が多く降る場所は世界にも沢山あります。ですが10日くらいドカーンと雪が降り、その後1週間は晴れる、という大陸性の気候が多い。この場合最初は雪崩のリスクが高く、落ち着いてきた頃には人が山に入り過ぎてパウダースノーではなくなってしまいます。標高が高いから息苦しいし、事故があったとき大変。一方北海道は3日に1回などコンスタントに雪が降ります。ずっとパウダースノーが滑れるということ。ヨーロッパやオーストラリアなど、雪が降る国であっても北海道に訪れる理由はこれです。雪質が違う!
アウトドアの魅力も、旅を通じて気づきました。3月で仕事をやめて、4月に世界一周の旅をスタートする日本人は多いです。まずはアジアの宿で沢山友達ができるのですが、みんなそこからヨーロッパやアメリカへ散り散りになって、大体2月に南米で集合します。ウユニ塩湖とかマチュピチュ等のベストシーズンが決まっているので、そこを目掛けて来るためですね。旅慣れしてくると観光地…例えば神社や教会、遺跡などに飽きてきます。すごく有名な観光地であっても、「せっかく来たから行っておくか…」程度になっている時が僕にもありました。
そのような状態でも、1年旅をして、まだ楽しみにしていたことが3つあります。
1.地元の人達とコミュニケーションをとること。
2.その場所の、美味しいものを食べること。
3.その場所の、自然の綺麗なところに行くこと。
周りの旅仲間も1年経っても飽きずにずっと楽しみ、心が満たされていたことです。これって人間の根源的な欲求なんじゃないかなぁと思いました。アウトドアは誰にでも必要と言いますか、楽しめる趣味であり、これが魅力だと感じています。
美幌町3人目の地域おこし協力隊。開発して創り上げたいこと
前職は、札幌市で観光系の仕事をしていました。ゲストハウスの運営会社に入社し、ゲストハウスの運営全般業務に携わりました。その後、アクティビティ事業部に異動し、僕はインバウンドのお客様をメインに、そば打ち体験やローカル市場ツアー、寿司作り体験を開催するという仕事をしていました。けれど、新型コロナウイルスが流行し、外国人のお客さんはもちろんのこと、日本人のお客さんもいなくなり、会社が大変な状態になっていました。どうしようかな…と思った時に美幌町の地域おこし協力隊の求人が目に入ったのです。面接を受け、その日のうちに採用決定との連絡をいただきました。
地域おこし協力隊の任期は、最大3年と決まっています。3年後にアウトドアガイドとして事業を起こし、美幌でやっていく!というのが、地域おこし協力隊としての僕のミッションです。そのために、アウトドアで遊ぶプログラムを考えたり、それに必要な資格をとる勉強をしています。
将来的には美幌の自然を活用した教育プログラムをやりたいです。僕は美幌峠が大好き!車で行けて、景観が素晴らしく良くて、行く度に違う景色が見れる。あんなに気持ちのいい場所はなかなかありません。せっかくだから峠を活かした自然のアクティビティを開催していきたいです。今考えているのが、マウンテンバイクのコースを峠から町まで作るというもの。林業の人の作業道とも繋げていきたいですし、スキー場のリリー山も夏は使っていないので、マウンテンバイクのパークに使いたい。”屈斜路湖カルデラ外輪山トレイルルート”も作っているので、完成したらそこのガイドをすることも楽しみです。
移住を考えている方へのメッセージ
町おこししたい!とか、自分で事業主として何かやりたい!とか、自発的で行動できる人でしたら、美幌町はすごい活躍できる場所だと思います。皆さん親切で「やりたいな~」「これ興味あるな~」と言うと、すぐに望みが叶うような出会いを作ってもらえています!
移住じゃなくてもまずは遊びに来てくださいね。僕がご案内いたします。
日々の活動は、こちらのnoteをご覧ください
https://note.com/threefingersnote