美幌町観光まちづくり
協議会
大西 直美

つらい時にエネルギーチャージできた。
美幌町に恩返しがしたい
心身のバランスを崩した後、北海道美幌町で農業バイト「生きてるなぁ」
幼い頃から運動が好きだったこともあり、高校生の時にスポーツ栄養士になる夢を持ちました。管理栄養士になるために東京都内にある大学へ通い、学生時代は1部リーグ所属の大学アメリカンフットボール部の栄養マネージャーを務めました。ご縁があり、新卒でアスリート支援を行う会社に入社。スポーツの現場でジュニアからマスターまで、栄養サポート及び健康運動指導に従事しました。念願叶っての仕事を手放したくなかったけれど、肉体的にも精神的にも、当時の私にとってはハードで、心身のバランスを崩して退職をしました。
抜け殻状態のとき、今何がしたいのか?考えてみました。アスリート支援の会社ではレストランも展開しており、そこで産地直送の野菜を食べる機会がありました。その美味しさが衝撃だったのです。「こんなに味が違うものなの?食品成分表に載っている栄養素は決まっていて、それに則って栄養計算するけど、これだけ美味しさが違うなら成分だって違うよね。そういえば野菜ってどうやって育つのだろう。農業を体験してみたいな。じゃがいもが好きだからじゃがいも農家にしよう!やっぱり北海道だよね」と思い、インターネットで検索。直感で、ここが良い!と美幌町の農場バイトに申込みました。2009年8月、当時は名前も知らなかった女満別空港へ降り立ち、美幌町へ。
農業バイト先での生活は、朝陽が昇ったら起きて、みんなで朝ごはん。仕事をはじめ、お昼になったらみんなでごはん。汗水垂らして仕事して、日が暮れたらおしまい。家族が作った野菜たっぷりのごはんをみんなで囲み、笑い、話しながら食べる。「生きてるなぁ」と感じました。人も自然の一部なんだと体感できた。ここに住みたい!と思い2010年4月に移住しました。
美幌町の魅力を、求めている人へ届けたい
その後結婚して2人の子どもに恵まれました。上の子を妊娠中に、在宅で栄養サポートやWebライターの仕事をはじめます。想像以上に発熱する子どもの体調不良時もすぐに対応可能で、仕事内容は自分の好きなこと。家族を第一にできる、この働き方に満足しつつも、心のどこかでモヤモヤしていました。
それは「町づくりに関わりたい。移住者増やす取り組みしたい。美幌町の素晴らしさを広めたい」ということ。子どもが生まれる前はボランティアで携われていましたが、産後その機会はなくなりました。「平日の夜や、土日に動きにくい私には無理だ」と、思い込んで我慢していたのです。しばらくすると、家族の時間も大切に、町づくりにも関われる現在の仕事の求人が現れました。”勤務時間は平日9時~17時、土日祝日休み”「やりたいです!」と飛びつきました。下の子の保育園も、面接時から一時預かりをしてもらい、相談してから2週間後に正式に入園できました。待機児童問題が叫ばれている昨今ですので、これは地方だから可能だったことですね。
2019年7月に美幌町観光まちづくり協議会に事務局として仲間入り。大きく3つの担当をしています。
1.農家民泊の推進・・・修学旅行生が農家さんの家に泊り、農村漁村の生活体験をすることを推進する
2.二次交通対策・・・女満別空港から美幌町までのアクセスをスムーズにする
3.体験・民泊推進・・・体験コンテンツの企画と、宿泊できる場所を増やす取り組み
その他、オンライン移住ツアーやWebサイトの管理なども担当しています。 どれもとてもやりたいことです!
目標としては美幌町を、住みたい街/行ってみたい街にランクインさせたいです。都会は都会で魅力があり、美幌には美幌の魅力がある。求めている人に、魅力が届いていないだけ!と思っています。訪れていただく機会が増えるよう企画運営し、情報発信していきます。
住む町に欲しいものは自分たちで生み出せる。びほろ暮らしの魅力6つ
私が思う美幌の魅力は沢山あります!今回は暮らしてみて思う6つのことをお伝えさせてください。
・移住者は自分の実家に帰省など、飛行機に乗る機会が多いはずなので、自宅から空港まで車で15分は、ものすごく魅力的。
・美幌町や周辺地域は個人経営の個性豊かなお店が多い。その土地のものを味わいたい、そのお店のコンセプトやストーリーに惹かれる人にとっては、行きたいと感じる飲食店や雑貨屋さんが多いと思います。
・何かに悩んだときは美幌峠か、街灯がない場所へ行き、深呼吸します。こんなに星って沢山あるんだ…と思うくらい星空がキレイです。昼でも夜でも…大自然にふれていると、悩みがどうでもよくなる。小さなことを気にしていないで、自分のしたいことをして生きていこう!と思えますね。
・何かをやりたい!と声を上げると町のサポートつきで実施できることが多いのも、私にとっては魅力的です。住む町に欲しいものは自分たちで生み出せる。という感覚ですね。
・育児がとてもしやすいです。自宅は中古の一戸建てで、移動は基本的に車。どんなに子どもが騒ごうが喚こうが、周りを気にしなくてよいのは、心が軽やかです。仕事・育児・家事とバタバタしていて楽ではないですが、毎日楽しいですね。
・わが子は、じいちゃんばあちゃんたちが作った野菜や果物を、たんまり食べています。魚も友人知人が釣ってきたものをいただく機会が多いです。無添加で素材の味を大切にしているカフェや、地場のものを出してくれる飲食店も、美幌町や周辺地域に多くあります。生きる上での根源である食。私たちは食べたもので出来ており、身体と心を作る食事は大切だと私は思っています。わが子が豊かな食の経験を積み重ねている姿に、とても心が満たされます。
移住を考えている方へメッセージ
選択肢が増えている現在。自分はどこで、誰と、どんな風に生きていきたいのか?自分に問い続けることは幸せに生きるために、大切なことだと思います。
私が北海道に訪れたきっかけは心身ともに疲れ切っていたからです。ポジティブな理由で移住しなくても別にいい。挫折したって、またやり直せるから大丈夫。そう思っています。つらい時に私を救ってくれたのは、美幌町の美しい風景と、お世話になった農家さんの温かさ、そして美味しい食べ物たちでした。
まずはお気軽に遊びに来てください。移住して11年目、すっかり元気になり、今もなお観光気分で美幌町や周辺地域を楽しんでいる私が、ご案内いたします。
美幌町が、あなたとあなたの大切な人のエネルギーチャージできる場所となれたら幸いです。